本日はBLAZE FANGについて書きます。
TOUMAとして活動を始めて今年2021年で20周年になります。
去年同様、TOUMAの代表作でもある、ナックルベアのデザインラインを踏襲した
イカツイ系キャラクターをソフビ化しました。
ナックルベアは2003年に誕生したキャラクターですが、その際、面と曲線(エッジ)の融合を
意図せず(というか自信で気が付いていなかった)生み出したキャラクターになります。
某GAME会社に約10年勤め、キャラクターデザインなどを担当しておりましたが、
私が働いていた時代は、ポリゴン創成期にあたります。
1キャラクターを500ポリゴンでモデリングするという時代でした。
実際に作ってみるとわかりますが、500ポリゴンでキャラクターをモデリングするのはかなりパズルのような
難しい作業になります。それこそ、そぎ落とすところはそぎ落とし、よく目にする個所にはポリゴンを割いて滑らかに見せるという
センスが必要な作業でした。その時代にキャラクターモデリングをしていたこともあり、
ナックルベアは末端に行くほど角ばったローポリゴンになっています。
耳、手、足、口など末端ほど角ばった形状で構成されています。
これはローポリゴンでキャラクターを作っていた名残で、身についていたと思います。
偶然できたように思っていましたが、海外でインタビューを受けた際に
そういえば、そうかもとインタビューで答えていった返答から
ローポリゴンでモデリングをしていたからだと後でわかりました。
今だと、ポリゴンを気にする必要もないですが、あの時に確立させた面と曲線(エッジ)の融合は
TOUMA作品の代名詞としても確立できていると思っているので、今のキャラクターにも取り入れています。
それから、怒り狂った顔も、元々ナックルベアは金太郎にでてくる足柄山の熊がモチーフでした。
まだ前掛けをした幼子の金太郎が、足柄山の熊を相撲で投げ飛ばせるわけがないだろうということで、
おかっぱ頭の金太郎をねじ伏せて、怒り狂った顔をしていた熊でした。
香港のARTTOYの会社の社長さんとお仕事をしていたこともあり、
香港の方は金太郎など知らないので、おかっぱの子供は必要ないということで、
怒り狂ったナックルベアだけが商品化されました。
面と曲線(エッジ)の融合、そして、怒り狂ったギザギザの歯があるキャラクター
これが私の代名詞となってしまいます。
その怒り狂ったギザギザの歯は、いつもだと、かなり削ぎ落してシンプルな形で
造形をしていましたが、今回のBLAZE FANGは、狼ということもあり、
狼や犬に見られる、威嚇時の歯茎を剝き出しにして歯を見せるあの凄みの増す表情を
立体化しようとかなりの時間をかけてモデリングをしました。
その怒りの表情だけでは以前に出した、FANG WOLVESを越えていない気がしたので、
何かしらプラスしたいと考えて、サイン会時によくTATTOOとして描いていた炎を形状に入れてみたい。と考えて
顔から背中にかけて炎のようなデティールにし、キャラクターの特徴を強調させました。
足の形状も狼っぽい形状を取り入れ、尻尾と後ろ足の3点で立てるようにモデリングをしました。
キャラクターデザイン、3D原型モデリング、3D出力、そして、日本の工場と、ALL MADE IN JAPANに拘った作品。
TOUMAアーティスト活動20周年記念キャラクター「BLAZE FANG」
原点回帰のTOUMA CLASSIC STYLE。
20周年にふさわしいキャラクターを生み出せたのではないかと思っております。